基本情報
- 卦名:遁卦
- 卦序:第33卦
- 構成:
- 属性:陰陽互済
- 爻線コード:001111
卦象の見方
二、象辞
象に曰く:天下に山あり、遁。君子以って小人を遠ざけ、悪まずして厳なり。
三、彖辞
彖に曰く:遁亨は、遁にして亨るなり。剛位に当たりて応じ、時とともに行くなり。小利貞は、浸みて長ずるなり。遁の時義大なるかな。
卦辞の現代語訳
核心的な意味(状況に応じて一歩引く。引くことは、より良く進むため)
- 遁:状況を見極め、取捨選択する。消極的に逃げるのではなく、自ら一歩引いて実力を温存します。
- 亨:一歩引くことで道は広がります。正面衝突を避け、より良い発展の機会を自分に残します。
- 小利貞:小さなことでも本心を守ります。小人と無理に争わず、自分の原則と一線を守り抜きます。
各爻の詳細解説
初六
遁尾、厲。往く攸有る勿れ。
释义:退くのが遅すぎると危険に遭いやすくなります。この時期は無理に突き進まず、まずは自分自身を立て直しましょう。
《象》曰:遁尾の厲は、往かざれば何の災いぞや。
象传释义:この時期に前に出ず引くことで、かえって災いを避けられます。適切なタイミングで止まることを知る、それが最良の護りとなります。
六二
黄牛皮の革でしっかりと繋ぎ止め、決して離れないようにする。
释义:厚い牛皮でしっかりと縛り付けたように、意志を固め、周囲の雑音に惑わされません。
《象》曰:黄牛皮を用いて執り止めるのは、志を固めるためである。
象传释义:粘り強く初心を守り、足場を固めて、状況が好転するのを待ちます。
九三
繋ぎ止められたまま退くのは危険を招く。身近な者を整えれば吉。
释义:一時的に身動きが取れずリスクもある状態です。まずは関わる範囲を絞り、内部を整えて負担を減らし、力を蓄えましょう。
《象》曰:繋ぎ止められたまま退くことの危険は、心身が疲弊しているためである。身近な者を整えて吉なのは、大きなことはできないからである。
象传释义:今は無理に正面突破せず、手が届く範囲の小さなことから整え、余力を残しておきましょう。
九四
好遁。君子は吉、小人は否。
释义:タイミングを見計らって一歩引くことが、本当の成熟です。進退自在であれば、道は自ずと広がります。
《象》曰:君子は好遁す。小人は否なり。
象传释义:君子は時を見計らって引くべきを知り、小人はただしがみつくだけ。その違いが明確に表れます。
九五
嘉遁。貞にして吉。
释义:体面を保ち正しく引くことで、原則と方向性を守れば、むしろ良い結果が得られます。
《象》曰:嘉遁にして貞吉なるは、志を正すためである。
象传释义:冷静な判断で一度引くのは、次に備えてより良いスタートを切るためです。
上九
肥遁。無不利。
释义:すっぱりと引いて面倒から距離を置けば、足かせを避け、新たな計画を練り直す余裕が生まれます。
《象》曰:肥遁にして無不利なるは、疑うところがないためである。
象传释义:迷わずすっきりと身を引けば、手を空けて新しい局面に挑むことができます。
全体的なメッセージ
日常生活での活かし方
A. 仕事・キャリア
- 先行きが不透明な状況や勝ち目がない局面では、期待値を適正に下げ、資金繰りを確保し、チームの士気を安定させましょう。
- 戦略を転換し、無理な拡大は避け、まずはコアとなる強みを磨き、時間をかけて土台を固めましょう。
B. 人間関係
- ネガティブなエネルギーや価値観が合わない相手とは距離を置き、礼儀正しく接しつつも深入りは避けましょう。
- 感情でぶつかるのは避け、時は任せて、最終的には結果で示しましょう。
C. 学習・自己成長
- 行き詰まったら基礎に戻り、外部への発信は一旦休止して、まずは自分の土台を固め直しましょう。
- 時にはあえて距離を置いて休息を取り、十分に充電してから再び挑みましょう。
遁卦からのヒント
一歩引くことは、より良く前進するためです。「退く」ことを戦略として捉え、守るべきは守り、譲るべきは譲って余力を残し、次のチャンスが来た時に全力で駆け出せる準備をしましょう。