梅花易数起卦の基本思路:「数」から「象」へ至る玄妙の扉
梅花易数は、起卦が柔軟で形式に縛られず、すべては 数・象・理 の三要に依る。一つの数字、一つの念、一つの物音さえあれば、そこから 八卦 を展開し、さらに 体用 の生克を配して吉凶を断じる。本稿では玄虚を語らず、最も実践的な起卦の思路だけを伝え、この 象数 の扉を素早くくぐる手助けとする。
開篇の導き
梅花易数の起卦の核心は 数 にある。万物には数があり、数は 卦象 を生み、象には 吉凶 が蔵される。
それは蓍草(しそう)が大衍(たいえん)の五十を必要とするのでもなく、銅銭を必ず投げねばならないのでもなく、ただ 機に触れて動き、手のままに数を取り、即座に卦を成す。

基礎の整理:玄学ではなく、象数のロジックである
よくある誤解
- 誤解その一:梅花易数には三枚の銅銭が必須である。実際には、邵雍 が『易経』を簡略化して生まれたもので、核心は 先天数 にあり、特定の道具を必要としない。数字、音、時間、すべて起卦に使える。
- 誤解その二:起卦は複雑なほど正確になる。梅花は 簡易 を旨とし、一念の誠をもって、手のままに数を取るのが最も霊妙であり、作為を凝らすとかえって真実を失う。
- 誤解その三:起卦の後は卦辞だけで判断する。梅花は独自の一派を成し、体用の生克 と万物の類象を重んじ、卦辞は参考にとどめる。
核心の要点:起卦の三つの段階と体用の心法
第一段階:数を取る――万物すべて数と成りうる
起卦にはまず 数 を得る。数は三才に分かれる。上卦の数、下卦の数、動爻の数。数を取る法は千変万化だが、必ず その時その念 を守らねばならない。
よく使われる取数の方法:年月日時 を数に変える。たとえば亥年は12、三月は3、二十四日は24。あるいは 物象 の数量に着目し、三人の同行を見れば3を用いる。さらには一念のうちに浮かんだ数字、たとえば門牌の27など。
肝心なのは 自然 であること。強(し)いて求めてはならない。鐘の音が三つ響けば、即座に3を用いる。飛ぶ鳥を五羽見かければ、即座に5を用いる。これを 触機 という。
- 時間による取数:年支に対応する数、旧暦の月・日・時の数を合計し、動爻を取る。例:午年7月15日なら、上卦は5(午は離に属す)を取り、下卦は15を8で割った余りの7(艮)、動爻は7+15=22を6で割った余りの4とする。
- 物象による取数:八卦の万物類象に従って、直接卦を取る。たとえば 兌 が沢の物(コップ)を見れば、それを兌卦とする。火を見れば 離 とし、直接に上卦もしくは下卦とする。
- 数字による取数:任意の三つの数字、たとえば789。一つ目の7を8で割った余りは7で艮(上卦)。二つ目の8を8で割った余りは0で坤(下卦)。三つ目の9を6で割った余りは3で動爻。数字が不足すれば、補ったり分割したりする。
第二段階:卦を成す――数字から卦象への変換
数を得たなら、先天八卦数 に依る。乾1 兌2 離3 震4 巽5 坎6 艮7 坤8。数が8を超える場合は、その数を8で割って余りを取る。割り切れる場合は坤8とする。
上卦は一つ目の数によって定まり、下卦は二つ目の数によって定まる。本卦が形を成したら、次に 動爻 を読む。三つの数の合計(または直接に三つ目の数)を6で割り、余りが動爻(初爻から数え始める)となる。動爻の所在する卦を 用卦 とし、動かない卦を 体卦 とする。
本卦の動爻が陰陽を変じて、変卦 を生じる。互卦は本卦の二・三・四爻を下互、三・四・五爻を上互として取り、過程 および中間状態を表す。
- 本卦:上下の卦を重ねて六爻とし、現状を示す。
- 互卦:中爻から交互に取り出し、展開中の隠れた要因を明らかにする。
- 変卦:動爻が変化した後の卦象で、結果を予示する。
- 体用の生克:体は主、用は事。体用が比和すれば吉。用が体を生ずれば吉。体が用を生ずれば消耗。用が体を克すれば凶。これに 卦気の旺衰 を配して参看する。
第三段階:卦を解く――体用と類象の連動
梅花の解卦は爻辞に拘らず、まず 体用の生克 を看る。体卦は問卦者・主たる側・核心となる人事を表し、用卦は問う事柄・相手方・環境を表す。
生克関係が吉凶の基調を定め、さらに 八卦の類象 を結合して細かく読む。たとえば体が 離火、用が 坎水 ならば、用が体を克するから、事に阻害あり。離火は文書・中女、坎水は盗み・陥穽(かんせい)であるから、文書が盗みによって失われるなどと断ずる。
互卦を観察して、中間の変数を推し量る。変卦を審らかにして、最終の帰趨を明らかにする。同時に 時間・方位・外応 をすべて組み入れねばならない。万物はすべて象を成しうる。
- 比和:体と用が同じ卦、あるいは生克が平衡し、順調を主る。
- 用が体を生ず:外力が相助し、事半ばにして功を倍す。
- 体が用を生ず:払うものが多く、得るものは少なく、己を消耗して他を利する。
- 体が用を克す:事は成りうるが、力を費やす。
- 用が体を克す:大凶。警戒を要する。
- 事例:合作を問い、雷火豊 を得て 震為雷 に変じ、四爻が動く。体卦は離火、用卦は震木。木が火を生ずるから、大吉。互いに巽離兌が見えるから、文書契約が順調であることを主る。変卦は比和し、合作が長く続く。
失敗を避ける手引き:起卦で最も犯しやすい五つの誤り
見落とされがちな細部
- 数字の余り取り:必ず8で割って余りを取り卦を定め、6で割って余りを取り動爻を定める。多くの初学者は直接数字を卦として扱い、8を超える卦を対応させられなくなる。
- 起卦の前後を逆にしない:一つ目の数字が上、二つ目が下、三つ目が動。順序を誤れば、体用がすべて逆転し、結論は正反対になる。
- 体用を混同しない:動爻はただ用卦の中にのみあり、体卦は永遠に動かない。もし本卦の上下にともに動爻があれば(稀なケース)、動爻のある位置に従って用を定め、あるいは外応によって主客を分ける。
- 「巧みな取り方」に耽溺しない:起卦は心意の契合を重んじ、作為的に奇抜な取数法を追い求めると、かえって 自然の道 から外れる。初学はまず時間による起卦から練習を始めよ。
- 一つの道をとことん行くのを忌む:同じ事を繰り返し起卦するのは、瀆筮(とくぜい) であり、問えば問うほど当たらなくなる。心に疑いが決しないときは、静かに心を抱一し、ただ一卦だけを立てる。
まとめと復習
梅花易数の起卦とは、つまるところ 数は象として顕れ、象は理によって断ずる に尽きる。手のままに数を取り、数に依って卦を得、体用の生克を弁別し、互変と旁通を観る。
起卦できることは始まりにすぎず、卦を解く功夫は卦の外にある。八卦の類象 を熟記し、外応 の経験を積む必要がある。覚えておいてほしい。最も霊妙な卦は、常に 現在の最も真実の一念 から生まれる。